栂池に来るのは5、6年ぶり。 前回はかなりの雨の直後で、奥の方まで行くのを断念した。
今回は前回のリベンジで是非ともという気持ちに加え、ロープウェーのガイドさんが「展望湿原からは白馬の大雪渓が目の前に広がる」と、後押しをしてくれる。 そのガイドさんの説明によると、栂池の地名の言われは地元では「ツガの木」と呼んでいたオオシラビソの木が、このあたりにたくさん生えていたからだという。 確かに周囲は、ロープウェーの高さまで届くオオシラビソの木がいっぱい。 木のてっぺんには紫色の松ぼっくり、下のほうの枝にはならないそうだ。 しかも例年はこんなになることはなく、何年かに1回の「豊作」だ。 写真はロープウェーからのものではなく、自然園を散策中にもう少し小さな木の上の方だけを撮ったもの。 ロープウェーに乗り合わせた乗客からは、「天変地異の前触れ?」の声もあったが、めったに見られないもののようなので。 自然園に入って最初に見た栂池の紅葉。 「今年は夏の気温が低かったせいで、例年より1週間ほど紅葉が早い」とか。 少し早すぎるんじゃないかと思いながら出かけてきたので、十分以上の満足な紅葉だった。 真っ赤な紅葉は「ナナカマど?」と思うのだが、特徴的な小さな赤い実がついてない。 もしかしてナナカマドとは違う? ずいぶん歩いたつもりでたどり着いたのは、この案内板の中央(赤い表示)あたり。 目指す展望湿原は左上、これから先の方が長い。 少し先にここで休んでいた人に、この先は左回りだと急な上り坂なので右回りの方が「初心者向き」と教えていただく。 栂池を訪れる人の内、半数は(観光客など)時間の制約などでここまでは来ていない。 アドバイス通りに右回りでしばらく行くと、もうせん池に着く。 ここでも小休止。 ついさっき追い越した人にもう一度追い抜かれるが、気にしないことに。 妻が「ここは覚えている」というので、前回もここまで来てしばらく先の登りで引き返したのかもしれない。 違っていたら自然園の人に失礼なのだが、前回は木道など散策路の整備がこれほど進んでいなかったのかもしれない。 木道の整備で歩きやすく、しかも植物の保護にもなる。 そしていよいよ展望湿原に到着。 残念ながら、私たちのいる所は快晴なのに山には雲が流れ、時折稜線の一部・雪渓の一部が垣間見える程度。 持参したオニギリを食べながら、そこで40分ほども粘ったがついに雲は切れなかった。 地元に住んでいるという男性が、観光写真に写っている大雪渓などを見られるのは「年に何回もない」、下から見上げて「今日はいいかな?」と上がってきても「ダメなことが多い」と。 その言葉にいくぶん慰められた思い。 展望湿原の標高は2,010m。 そこから少し下ってもう一度登る。 園内で標高が最も高い2,020m地点で見下ろす雁股池。 そこから先は確かに急な岩だらけの下り坂。 逆コースだと難儀したかもしれない。 その下り坂から先ほど通った湿原の中の木道を見下ろす。 緑はオオシラビソ、赤はたぶんナナカマド、白はダケカンバ。 遠くの山並みとあわせ、上から見下ろした眺めに来て良かったと思う。 ロープウェーなのであまりえらそうなことは言えないが。 湿原そのものは、小さな花が残っていたり、草の葉が紅葉していたりで遠めには華やかに見える。 「ほら、それがチングルマの綿毛だよ」と、通りすがりに声をかけてくれる人もいる。 花が終わった後のことも分かる人に、少し尊敬の念を覚える。 以前知床で、花の時期を終えたミズバショウの巨大な葉を見て、驚いたことがある。 そのミズバショウの葉も、栂池の随所で見かけた。 だから、これはきっと花の時期を終えたニッコウキスゲだろう?と写真に撮ってみた。 違っていたら少し恥ずかしいが、せめて好きな花くらいは花の咲く前・花の咲いた後も分かるようになれたら良いなと、さっきの人の一声で思ってしまった。 自然園を入ってすぐに、今咲いている花の写真がいくつか展示されていた。 アザミや左側の写真のリンドウなどは何ヵ所でも見かけることができた。 他の花は一体どこに?と探しながら歩いていたのに、見つけられない花のほうが多かった。 それでも自然園の出口の直前で、ようやく右側のトリカブトを見つけた。 不思議なもので、期待していたものに出会えると安心と満足感が得られる。 大雪渓の雲の切れ間を待つ間、一度タバコを吸おうとして妻に止められた。 自然園の案内に「禁煙」と書いてある。 きっと山火事防止の為なんだろう。 自然園での4時間ほどの間、ず~っと禁煙。 少しだけ良いことをしたような気もする。 帰り道の高速道路は期待通り、快調に走れた。
by t_ichib
| 2009-09-25 17:30
| 今日もまた旅の空
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