蘇州・杭州・上海旅行④ 世界遺産の湖
 今回の旅でガイドが2度、3度と繰り返し言ったのが、他の都市では風光明媚な観光地が市街地から離れた郊外にあるのに対し、杭州ではすぐ傍にあると言うこと。
 しかもその西湖が今年6月に世界遺産に登録された。


f0066555_21384897.jpg 西湖
 そのせっかくの世界遺産なのに、この日は朝の内は雨がぱらつき一日中どんよりした天候で、視界もあまり良くない。

 一昨日行った太湖が平均水深2m(最高水深48m)に対し、ここは平均1.8m(最高2.8m)と本当に浅い。
 この湖は大昔は海に面した潟で、漢時代に淡水化した。(浅いのにも納得)

 湖の名前も、中国4大美人の一人西施の名にちなむと言われる。
 芭蕉の句「象潟や雨に西施が…」を思い出し、今日の雨も仕方がないかと…



 私たちは最初に市街から離れた楊公堤の側から、西湖遊覧の船に乗る。

 この西湖には有名な詩人白居易が築いた白提・蘇東坡が築いた蘇提の二つがあったが、この楊公提は昔より小さくなった西湖の拡張工事で浚った土で築かれたという。


f0066555_1234218.jpg 同じく浚渫された土で、4つか5つだかの人口の島が作られた。

 残念ながら湖からどの方向を見ても、あいにくの天気のせいで今ひとつ。
 「中国では、晴れの日よりも雨・雪とりわけ霧の日が好まれる」と、ガイドは慰めてくれるが。

 遊覧船をおり、西湖十景の一つ「花港観魚」などを見ながら公園内を散策。

 先ほどの船上からも十景の内のいくつかが見えたのかもしれないが、船のガイドは観光客に背を向けたまま中国語でしゃべるだけ。
 言葉は分からなくても、指し示す手の方向だけでも分かればいいのに。 それに背を向けたままと言うのも、中国人観光客に対しても失礼だ。



f0066555_1474175.jpg 西湖からすぐ近くの六和塔などを見学し、魯迅記念館

 魯迅は科挙試験に合格した役人の祖父を持ち、幼少の頃は裕福な家庭に育った。
 が一転、その祖父が汚職で摘発され貧しい生活へと落ちる。


f0066555_14255463.jpg 魯迅は学費のかからない学校に進学する。 そして選ばれて日本に留学する。

 現東北大医学部時代の恩師は、まだ日本語に馴れない魯迅の講義ノートに、丁寧に朱筆で間違いの訂正などをしてくれたこと。

 一方ニュース映像で、スパイとして処刑された中国人に対し拍手する同胞の姿を見て、国のためには「医学より文学を」と進路を変えたこと。
 当時の日本が行った小さな善と、大きな悪。
 せめて、悪ばかりでなかったことにほっとするしかない。


f0066555_144189.jpg 紹興酒で有名な紹興

 酒が取り持つ縁で兵庫県の灘とは姉妹都市になっている。
 工場見学となっているが、実際はショッピング。
 飲めない私にも、原料がもち米だということ、こんな甕に入れられても5年、10年と熟成されるうちに量が減り、まろやかな味になるなど興味深い話もあった。

 中国では女の子が生まれるとお酒を密封殺菌した甕に入れ、その娘が嫁ぐ時に持たせたと言う。
 こうした長期間熟成されたお酒には、花彫酒という特別な名が付く。


 その後、西湖の市街地側に戻り、真新しい世界遺産登録を現す碑のある公園周辺を自由散策。
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by t_ichib | 2011-10-29 22:56 | 今日もまた旅の空
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