クロアチア旅行④前 トロギール
 昨日の悪い予感はあたって、どんよりとした曇り空。
 日が差さない分、涼しいどころかひんやりと肌寒い。 何度も来たことがある添乗員は「この時期のアドリア海で、寒いなんて…」と、初めての経験だそうだ。

 それでも、雨さえ降らなければいい。


 【世界遺産】トロギール

f0066555_17275034.jpg 運河で隔てられた人工の島

 昨日のスプリットで「守りを3方に減らす」ことを書いたが、さらに運河で隔ててしまったのがトロギール。

 私たちのバスは写真の手前の駐車場まで、旧市街へは橋を渡って入る。
 特別説明はされなかったが、当然この橋も石造りでなく跳ね橋などだっただろう。


f0066555_17354511.jpg 陸の門(北)

 橋を渡っても町は城壁に囲まれ、北門をくぐらないと中に入れない。

 入り口は小さく、壁も想像していたより低い。
 造りも質素だが、こちらは宮殿ではないので納得。


f0066555_17442334.jpg 城壁内の通り

 こちらは想像通りの狭さ。
 両側の建物が高いので、圧迫感がある。

 旧市街は曲がりくねった小道が多い。
 敵に攻め込まれても、先が見通せないため(どんな待ち伏せがあるか分からず)、一気に侵入できない。
 そのことは、日本の宿場町にある「枡形」を連想し、納得しやすい。



f0066555_1843448.jpg 聖ロブロ大聖堂

 両側を高い建物にさえぎられていた道を抜けると、急に高い鐘楼が目に飛び込み、ちょっと驚く。

 トロギールはロマネスク=ゴシック様式の建造物が、保存状態が良い状態で残されている町なのだとか。

 現地ガイドから「鐘楼の3層の窓のすべてが、異なる時代の様式で作られている」と、説明をうける。
 それでも、上2層の違いはよく分からないが。

f0066555_2014224.jpg 有料だが大聖堂の中を見学することができる。 ただ、この日は日曜でミサが行われていたため、見学できない。

 さらに、「聖体拝礼」の儀式が行われるとかで、この後のフリータイムの時間には、真っ白な衣装にローソクを手にした子供たちが、両親とともに大聖堂に向かうのを見かけた。


f0066555_18194251.jpg ラドヴァンの彫刻で飾られた正門

 左側には、イヴを背に乗せた雌ライオンが、腹の下にいる子ライオンのために羊を捕らえている。

 右側には、アダムを背に乗せた雄ライオンが、悪の象徴の大蛇を踏みつけている。

 クロアチアで最も重要な、ロマネスク=ゴシック美術の作品と言われる。
 が、私にはライオンが説明されなければ、ライオンに見えないし...


f0066555_1831293.jpg 正門上部の彫刻

 正門の柱や上部などには、いくつもの聖書のエピソードが彫刻で施されている。

 下側はキリスト誕生の場面。
 右端の女性が飼い葉桶に湯を注ぎ、中央のマリアが生まれたばかりのキリストを、産湯につけようとしているところ。


f0066555_2052063.jpg 広場と市庁舎
 大聖堂の南側は広場となっており、そこにはいくつかの重要な施設が集中している。

 写真は、東側に建つ市庁舎。
 古い建物だが、旧〇〇とか言っていなかったので、現役の市庁舎だと思う。(日曜だったので、自信がない)


f0066555_20241077.jpg ロッジア
 広場の南側、大聖堂に向かい合うように建っているのが、ロッジアと呼ばれる涼み廊下。

 憩いの場としてだけでなく、集会の場として、さらに裁判の場としても用いられた。
 (集会に限ったことなのか?)女性は入ることが禁じられていた。

 写真の左側(市庁舎寄り)には、時計塔が建ち、それも重要な施設の一つ。


f0066555_20362853.jpg 海の門(南)

 トロギールの門は南と北の2つ。

 夜になると2つの門は閉ざされ、誰も入ることができない。
 面白いことに、この南門の右側には、門限に遅れた人のための宿泊所が作られていた。
 (そんな施設が必要なほど、頻度が高かったのだろうか?)


f0066555_20472280.jpg カメルレンゴ要塞

 トロギールは海へ進出するのに絶好の位置にあったので、長くべネチアに支配されていた。
 カメルレンゴは、ベネチア軍が海側を見張る要塞であった。

 が、現地ガイドは「ベネチアは住民たちに嫌われていたので」、住民たちからベネチア兵を守るための施設だったと言う。


 クロアチアはクロアチア王国の短い期間を除き、ギリシャ、ローマ、ベネチア、オーストリア=ハンガリーなどの支配を受け続け、やっと独立を果たしてまだ20年足らず。
 自分たちの国を持てた喜びと、過去の苦い思い出を吐露したものだろう。


 今日の午後は再び国境を越え、ボスニア=ヘルツェゴビナへ。
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by t_ichib | 2012-05-13 12:20 | 今日もまた旅の空
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