クロアチア旅行④後 モスタル
 今度の旅行に出かけてから、飛行機の中やホテル、移動中のバスの中などで泥縄式に、ガイドブックをめくり、やっと気づいたことがある。
 旅行社か用意した今回の旅の日程表、その表紙に印刷された美しい石の橋が、きょうの午後に訪れるモスタルのスタリ・モストだと。


 旧ユーゴから独立した各国の中で、もっとも悲惨な内戦を経験したのが、ボスニア=ヘルツェゴビナ。
 既に、ユーゴスラビア軍の攻撃で悲惨な状況にあったモスタルに、クロアチア軍までが加わったのである。

 ボスニアはイスラム教徒が多い国だが、カトリック教徒も少なくない。 ボスニアからの分離独立を主張する勢力を支援して、クロアチアが介入した。


 スタリ・モストはその戦闘の中で、クロアチア軍が爆破した。


 1995年の停戦合意後、国連などの支援により町及びスタリ・モストは2004年までに復興した。
 そして、2005年にはスタリ・モストと周辺の旧市街が世界遺産に登録された。


 沿岸部のトロギールを出発したバスは、途中から山道に入り国境を通過。
 今回の旅では何度も国境を越えたので、記憶が定かでないが、警備官がバスに乗り込み一人一人のパスポートに、スタンプを押していったのは、この国境だっただろうか?


f0066555_6241511.jpg 建物に残る銃弾の痕

 バスが町に入ってすぐに、こんな銃弾の痕が残る廃墟を目にし、全員の口から「おおーっ」という声が漏れる。

 既に戦争から20年、これらは意識的に残されているのだろうか?

f0066555_6332226.jpg 上の写真では、特に下のほうに集中して無数の銃痕が残っている。
 が、小さくて分かりにくいので、もう1枚。

 こちらはバスを降り歩き始めてから、目にしたもの。



 上の写真の建物の手前に道路があり、その東西にイスラム教地区・キリスト教地区と別れ、激しい戦いが続いた。

f0066555_97298.jpg 聖ペーター教会

 現在では、キリスト教会・イスラム寺院ともに修復し、民族・宗派間の融和も進んでいる。
 私たちを案内してくれたイスラム教徒の現地ガイドも、キリスト教徒の娘さんと挙式の予定だとか。 少しほっとする。



 そして、スタリ・モストの全景
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 スタリ・モストとは、古い橋という意味、都市の名モスタルもこの橋に由来する。

 中央部が少しとがっていて、左右に傾斜のある美しい橋。 橋脚がない。
 「滑りやすいので気をつけて」とガイドブックにあるが、それほどでもない。 ただ、今日が雨だったなら?

 幅4m、全長30m、水面からの高さ24m。 夏場には「度胸試し」に、橋から川に飛び込む人がいる。

 まだ時期が早いし、今日は曇り空で寒いからとあきらめていたが、そろそろ帰ろうかというころに、一人の若者がやってくれた。 観光客の間からは拍手が。



f0066555_9403010.jpg 橋の上からの景観もすばらしい。

 先ほどの飛び込みの話だが、私たちには川の深さの見当もつかないが、水温は冷たく危険なのだとか。
 添乗員の話によれば、川に飛び込むための「学校」があり、及第点をもらった人だけが飛び込めるとか。

 「度胸試し」は古くから行われているようで、最も古い記録は1664年だという。


f0066555_9495836.jpg 爆破された元の橋の残骸

 橋の下には、説明されなければ気づかない橋の残骸が残されていた。

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 右は同じく爆破された橋のかけらに刻まれた「DON'T FORGET '93」の文字。

 爆破されたのは1993年11月のこと。 平和と復興のシンボルとして、新しい橋の片隅に置かれている。


f0066555_1041251.jpg クユンジュルク通り

 銀細工のお店が多く、ほかには背後に見えるスタリ・モストを描いた絵画を売る店も多い。

 お勧めと思ったのはアイスクリーム、ザグレブなどでは7クーナ(100円)だったものが、ここでは5クーナ(75円)くらい。
 安いのだが、「今日の天候では...」と皆さんはあきらめていた。


 ボスニア=ヘルツェゴビナのごく一部を見ただけだが、まだ傷跡が残る町が痛々しい。
 が、首都は今も私たちの記憶に残る、冬のオリンピックを開催したサラエボ。 オリンピックを開催できるほどの力のあった国、遠からず復興できるだろう...と。



 再び国境を越えクロアチアへ、そこから一気にドブロヴニクへ...と思っていたが。

 実はドブロヴニクは珍しい飛び地となっていて、クロアチア本土とは接していない。 陸続きなのだが、間の10Kmほどの海岸線は、ボスニア=ヘルツェゴビナ領。


 この10Kmの区間で入国・出国をするのでめんどうだが、その間にあるネウムという町が面白い。
 私たちもそこで休憩を取ったのだが、そこのお店では現地通貨だけでなく、ユーロ・ドル・日本円なども使える。

 クロアチアより物価が安いので、酒・タバコなどを買うために、国境を越えここを訪れる人も多いとか。(クロアチアのクーナも使える。)


f0066555_1053394.jpg そしていよいよアドリア海の宝石、ドブロヴニク

 ドブロヴニクに着く前に、「ここからの眺めが絶景だから」と、運転手がバスを止めてくれた場所。

 しばし、バスを降り撮影タイム。

 実際の観光は明日だが、期待が高まり、明日が待ちきれない。

 一抹の不安は天候のみ。
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by t_ichib | 2012-05-13 22:47 | 今日もまた旅の空
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