日の出岬でオダマキを見つけた時、「野生のオダマキを見つけたのは初めて」と書いたが、礼文島に来てびっくりした。
少し町中を外れたあたりには、まるで「雑草のように」(島の人の言葉)咲いている。 写真のオダマキは、スコトン岬からの4時間コースを歩き始めてから見つけたものだが、バスに乗っている間にも道路わきに生えているのを、何度も見かけた。 「雑草の...」というのは、たくさんあるということの意味で、きれいな花なので家々の花壇に植えられてもいる。 白いオダマキは野生のものは発見できず、この花はどこかの家の花壇のものを撮らせていただいた。 別の家の花壇には、なんとピンクのオダマキも咲いていた。 白もピンクもどこかで咲いていたものを、きれいなので移植し育てているのだろう。 野に咲いている白やピンクも見つけられたら、もっとうれしかったのだが。 宿のある香深からバスで1時間のスコトン岬。 ここから浜中までの4時間コースの終り近くに、レブンアツモリソウの群生地がある。 バスには他にも観光客の姿が見られたのに、4時間コースを歩き始めたのは私たち2人だけ。 ほとんどが浜中でバスを降り、群生地だけを見て帰るようだった。 チシマフウロ スコトン岬を歩き始めてすぐに、オダマキやこのチシマフウロを始め、さまざまな花を目にすることができる。 この道を歩かないなんて、「もったいない」と思う。 もっともその後に桃岩展望台などに行くのであれば、これらの花も見られるだろうけど。 オオミナグサ 後で見返してみると、オオミナグサはこの1枚くらいしか写真に撮っていない。 可憐でかわいい花だが、小さくてめだたなかったのか、それともこのあたりにしか咲いていなかったのか? シャク さまざまな花が点々と咲いていたり、大小の群落を作っていたりする。 私の感覚ではシャクなどは地味な花、それがこのような群落を作っていると、はっと足を止めさせるようになる。 ハクサンチドリ このハクサンチドリなども群落を作っている。 他にも、フウロやハマエンドウの群落があったり、(くどいようだが)オダマキ畑があったりする。 平地ばかりでなく斜面に、群落を作っていることもあるので、下ばかり見て歩いていると見逃すこともある。 二人で歩いていたので、教えあったりできたが。 ゴロタ岬 昨年はここで数人の男性グループと1組の男女と一緒になり、坂を上ってきた息を整えながら、しばらく談笑した。 今日は私たち二人だけ、空も寒々としている。 実際には、スコトン岬を出発するときに着込んだ防寒着は、この時には暑くてリュックにしまっていたのだが。 上り坂は、この先のゴロタ山頂まで続き、やっと上ったと思うと鉄府の海岸線へは、一気に坂を下る。 こんな上り下りの連続で、咲いている草花がなければうんざりしてしまう。 (今日は残念ながら、海や島々の眺望は望めない) 坂を下り、鉄府までの海岸線で、レブンアツモリソウが咲いているのを見つけた。 写真は、あとの群生地の方を載せるが、大幅にフライングしたアツモリソウを発見できたことがうれしかった。 群生地以外にも咲いている所は他にもあるようで、宿近くの何てこともない坂道の草むらに、昨年3株のレブンアツモリソウが、中学生たちに見つけられ、「フワフワくん」という名前まで付けられたそうだ。 残念ながら今年は1輪しか、花をつけなかったが。 これもフライングのカワラナデシコ 昨年はこのあたりで一面のピンクの花を咲かせていたカワラナデシコ、1ヶ月も時期が早いが「1輪くらいは?」と期待しながら歩いていたら、同じ海岸線で2~3輪を見つけることができた。 1年ぶりの再会は、他にもエゾカンゾウなどにも。 最初の写真のうちピンクのオダマキは、この鉄府の家並みの庭先で撮らせていただいた。 鉄府から澄海(すかい)岬までは再び上り下り。 澄海から先は車道の横の舗装された歩道を歩く。 傾斜は緩いけど、道の両側はイタドリやラワンフキ。 代わり映えのしない眺めに、上り下りのきつさよりうんざり。 レブンアツモリソウの群生地 澄海岬から浜中までの4Kmの舗装道路の終り近くに、群生地がある。 これがなければ、4Kmはもっとうんざりだった。 私たちのように4時間コースを歩いてではなく、バスでそばまで乗り着けてきた観光客でいっぱい。 白いレブンアツモリソウ 近くでお母さんが小さな子に、「ホラこちらは白くて、そちらはクリーム色でしょ」と教えている。 それを聞いて、色の違いに気がついた。 元々はクリーム色が本来のもので、白は変種らしいと教えていただく。 浜中で4時間コースは終了だが、もう2つ見たいところがあり、もう2時間近くを歩くことにした。 その一つは、宿の奥さんに「是非に」と勧められていた。 ホテイアツモリソウ 「地元の人は知っているが、観光客は知らずに通り過ぎる」と、たまたま車で横に停まり携帯電話のカメラで撮っていた、地元の女性が教えてくれた。 花の周りを厳重に柵がしてあり、近づけないようになっている。 以前に近くで撮影しようとした人の足の置き場が悪く、花ごと周りの土が崩れ、それまで10株ほどあったものが、この3株だけ残ることになった。 悪気があってしたことではないが、残念。 その後は久種湖のそばを過ぎ、高山植物園に。 今日はまだ見ていないレブンコザクラなどがあったが、紹介するのは野性のものを見つけて・・・ ここでは今日の復習と、明日の予習のために。 植物園の近くはバスが通らない。 バスどおりまで出て、近くの人に「次のバス停まで、どれくらいある?」と聞くと、一様に返る答えは、「バスに手を上げれば、停まってくれる」というもの。 もしかするといつもそうしていて、バス停がどこなのか知らないのでは? そうしてトボトボと歩いている姿が、よほど疲れて哀れそうだったのか、通りがかりの車が私たちを乗せてくれた。 その方は地元の消防署勤務の方で、後で分かったのだが宿の奥さんとは同級生。 もちろん私たちがその宿泊者などと知らず、乗せてくれたのだが。 花のこと以外にも、いろんな島の話をしているうちに、アザラシの話題になり、「じゃあ見に行こう」ということになった。 なんと香深を通り過ぎ、恐縮する私たちを知床の先にまで乗せて行ってくれる。 写真は望遠で撮ったものをさらに拡大したので不鮮明だが。 「あそこにいるよ」と言われても、肉眼ではなかなか見分けがつかない。 と、車から双眼鏡まで持ち出して見せてくれる。 消防士さんの必需品? とにかく恐縮しきりの、暖かい島のもてなしだった。
by t_ichib
| 2012-06-09 22:54
| 今日もまた旅の空
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