エジプト旅行② アブ・シンベル神殿
 旅の初日は移動ばかりだったので、今日が3日目。
 寝台車でアスワンに着き、クルーズ船でナイル川を下る。 でもその前にアスワンでの観光が少しある。


 4年前のエジプトでも、私たちのバスには銃を携行したツーリストポリスが同乗した。
 既に昨日から、空港からホテル、その後の観光に警察官が乗り込んできている。 (3年前は1人だったが、今回は2人)


 今日、今から出かけるアブ・シンベル神殿は、アスワンからずーっとナイル川の上流、万が一の場合を想定し、警察車両を先頭に観光バスが隊列を組み目的地へ向かう。

 その隊列を組むための集合場所が、古代の「石切り場」跡。


f0066555_20272929.jpg 切りかけのオベリスク

 オベリスクはエジプトの新王国時代に、神殿などに築かれた記念碑。
 神殿の柱などはいくつもの石を積み重ねたものだが、オベリスクは上から下まで1本の石柱。

 「切りかけの...」は、実は失敗作。 写真の上部にひび割れが入ってしまっている。
 失敗し、放置されているおかげで、「オベリスクの製造方法」が分かるという。


 鉄などがない時代、オベリスクの素材である花崗岩より硬い石を用い、20cm間隔くらいで穴を空ける。
 その穴に木を差込み水を注ぐ。 その木が膨張し石が割れる。 (その穴がくっきり残っている)

 石切り場そのものは、良質の花崗岩の取れるナイル川沿いにあるが、切り出された石は川幅が広がる洪水期に、船で運ぶ。


 実に賢い方法と感嘆するが、それでも切り出すのにはほぼ4年が費やされると言う。 だからこれには多分、2年くらいの歳月が水泡に帰している。



f0066555_20531088.jpg アブ・シンベルまでは2時間強。
 ひたすら砂漠を進むのみで、車窓からはこの蜃気楼くらいしか眺めるものもない。

 先ほど隊列を組むと書いたが、実際には先頭の警察車両、他のバスや乗用車の間はかなりの距離を開けて走る。 その方が襲われにくいのか?

 ここに限ったことではないが、道路にはわざと段差を設け、(多分)突っ走れないようになっている。
 さらに、時々設けられている軍の歩哨所では、道路が片側通行にされ、ゆっくりとしか走れない。


f0066555_2153539.jpg アブ・シンベル大神殿

 エジプトではもっとも有名な王、ラムセス2世により築かれた太陽神ラーを祀る神殿。

 神殿内部は撮影禁止、ガイドによる中での説明も禁止。
 事前に受けたレクチャーの記憶だけで、これが神に捧げものをしている場面、こちらは戦いに勝利して敵の捕虜を連れ、凱旋する模様...などと。


f0066555_21241430.jpg 大神殿のすぐ前には、アスワンハイダムによってできた人造湖、ナセル湖

 ダムの建設により水没するのを、ユネスコの支援で移築された。
 元々の神殿は、ラムセス2世の誕生日・即位の日の年2回、神殿の奥まで日が差すようになっていた。

 移築により、その日に1日のズレができた。 (1日しかズレなかったことのほうが驚異的)



f0066555_21332179.jpg アブ・シンベル小神殿

 ラムセス2世の最愛の妃、ネフェルタリのために築かれたハトホル女神を祀る神殿。

 大・小神殿とも、削りやすい石灰岩で作られている。
 石灰岩は風雨にさらされ2000年以上ももつはずがないが、エジプトには雨がめったに降らないから、今日まで崩れずに残っている。



 来た道とまったく同じ道を、何の感慨もなくひたすら戻る。 ただ、暑い。

f0066555_21435441.jpg 私たちが乗るクルーズ船

 今日はバス移動の距離も長く、暑かった。 (昨夜は列車なので、シャワーも浴びてない)疲れと汗をさっぱりと洗い流して。

 せっかく船に乗り込んだが、「さあ、クルーズに出発」とはいかない。
 今夜はここに停泊したまま。

 アスワンハイダムの見学などを、少々残しているため。
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by t_ichib | 2012-07-06 20:12 | 今日もまた旅の空
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