エジプト旅行④ クルーズは今日まで
 「暑いから観光は、朝早く出発しましょう」との添乗員の言葉で、連日大変な思いをしているが、どれほどの効果があるのか。
 エジプトでは、サマータイムが廃止されているので、朝6時半のモーニングコールは日の出の後、それほどはつらくないはずだが。


f0066555_1004988.jpg 遺跡への交通手段は、バス・モータボート・帆船などいくつもあったが、今日は2人づつこの馬車に乗って向かう。

 「馬車代は一括で払っているので、チップの要求は断るように」との注意があったが、御者はあの手この手を使ってくる。
 「写真を撮ろうか」、「御者台の隣に座ってみないか」など、さまざまな親切を示す。


f0066555_10111236.jpg エドフ神殿

 写真が小さくて分かりにくいが、この門のレリーフはイシス神殿と良く似ている。

 イシス神殿が母のイシスに捧げられたのに対し、こちらは息子のホルスに捧げたれた。

 母のイシスが心配そうに背後から見守るさまを見ると、「さぞ、マザコン息子か?」と思ってしまうが、実はエジプトの最高神
 代々のエジプトの王は、「ホルスの化身」と称する。


f0066555_10245942.jpg ホルス神は、ハヤブサの姿、あるいは人間の体にハヤブサの顔を持つ姿で描かれる。

 この左右1対となったハヤブサは、最も人気の高い撮影スポット。

 現地ガイドが聞かせてくれた、神話のエピソードが興味深かったので、その概略を。

 父オシリス神は現世の統治者だったが、それを奪おうとした弟のセト神により、2度にわたって殺される。
 オシリスの妻イシスは強力な魔力の持ち主だったので、オシリスを甦らせる。
 が、2度目は体を14に切断されたため、完全には復活できず、現世ではなく冥界の支配者となる。

 成長したホルスは父の復讐を遂げ、現世の統治者となる。



f0066555_10412293.jpg セトを追い詰めるホルス

 ホルスに追われたセトは、カバに変身しナイル川に潜む。(中央下)
 上に載っているのがホルス。

 ここでもイシスが影のように従う。(むしろホルスより大きい)

 この1枚だけではなく、何枚にもわたって追い詰めるようすが描かれている。

 このレリーフのイシス・ホルスとも、顔などが傷つけられている。
 ルクソールは現在でも、キリスト教徒の比率が高い地域と言われる。





f0066555_10551426.jpg 船に戻って、このクルーズの楽しみの一つ、エスナの水門が目の前に。

 このあたりのナイル川の流れには落差があり、船が航行するには水門を開け閉めして、通過する。

 パナマ運河が有名だが、私の住む近くにも船頭平閘門がある。(水位の違う木曽川、長良川を行き来するため)

 前方に見える小さな小船は、物売り舟

 船の屋上にいる観光客に、次々とビニール袋にくるんだバスタオルなどを投げ上げ、「10ドル」などと値段交渉。
 欲しければ袋から品物を取り出し、紙幣を入れ投げ返す。


f0066555_1184346.jpg 両側にあるコンクリートの杭に、太いロープを絡ませスピードを落としながら、傾斜のある流れを滑り降りる。

 「えっ何?、これだけ?」と拍子抜けの思いでいたら、これはまだ第1の水門

 本格的な水門はこの先にあると言う。


 第2の水門では、

f0066555_11161847.jpg 船の後方の水門が閉じる

 水門にはクルーズ船2隻が入ることができ、前方には既に1艘が待っていた。

 私たちの船が入ると、後方の水門が閉じる。

 みるみる水位が下がっていく。 「2mあまりも下がった?」かと思う頃に、前方の水門が開く。

 想像通りの手順で通過したが、やはり体験しなくては。





 次の目的地ルクソールには、3時ごろ到着。 クルーズはここで終了、この後は私たちにとって船はホテルの機能を果たすだけ。


 ルクソール東岸の観光に向かう私たちは、繋留された何艘もの船のロビーを横切り、岸に着く。
 つまり、川の港に10艘あまりも横並びに、船が繋留されている。

 岸に近い側のほとんどの船がただ繋がれただけで、観光客を乗せているのはわずが2、3艘。
 シーズンオフなのか、今のエジプト状況が観光客の足を遠ざけているためか?


f0066555_11393139.jpg カルナック神殿

 神殿に向かう通路の両側に、羊の列が並ぶ。

 ガイドの説明を聞く前、遠めから見た私には「象の群れ?」と。

 象の長い鼻?と見間違えたのは、羊の前に立つ歴代の王の像だった。


f0066555_11504426.jpg この神殿はルクソール(当時の名はテーベ)の守り神、アメン神に捧げられたもの。

 今まで見てきた神殿のように1人の王により築かれたものではなく、歴代の王により手前側に増築が繰り返された。



f0066555_11582021.jpg 王の立像

 ガイドの口から興味深い話が2つ。

 王の姿は写実的ではなく、理想像であってどの王も同じ顔かたちをしている。
 像に刻まれたカルトゥーシュによってのみ、区別される。

 有名なラムセス2世などは、気に入ったものがあると元のカルトゥーシュを消し、自分の物に変えたとか。 そして自分のカルトゥーシュは消されないように、深く刻んだとも。

 もう一つの話は、王の生前に作られたものは大きく左足を前に踏み出していること。
 死後に作られたものは、両足を揃え腕を胸の前に組む。

 従って、この立像は死後のもの。
 足元の小さい象は、王妃。


f0066555_1236429.jpg ハトシェプストとトトメス1世のオベリスク

 写真のどちらが誰のものかは、分からなくなってしまったが、ハトシェプスト女王のものは、エジプトに残されたものでは最大。

 2本あったが、1本は倒れ別の場所に横になっている。

 ハトシェプストは、本来王位を継ぐはずの義理の息子トトメス3世の王位を奪い、女王になったので、彼に憎まれ後に殺される。
 死後には、彼女の像は破壊されほとんど残っていないと言われる。



 近い距離にあるが、時間を節約するためにバスに乗り、ルクソール神殿に向かう。

f0066555_12495016.jpg 神殿前の1対のラムセス2世坐像

 坐像の前に1本だけオベリスクが建つが、本来は1対で、もう1本はパリのコンコルド広場にある、

 エジプトにローマなどが侵攻すると、戦利品として持ち帰られ、現存する当時のオベリスク30本の内、エジプトには7本のみ、ローマだけで13本あると言う。
 たしか、イスタンブールでも見たような...


f0066555_1372890.jpg ツタンカーメンの坐像

 若くして亡くなったツタンカーメン、王妃は2、3才年上で姉が弟を慈しむように、王の背中に右手を回しているのが微笑ましい。

 先の付属品のように、王の足元に王妃の像があるのに比べ、何倍も人間らしくて。


f0066555_13215637.jpg スフィンクスの参道

 ルクソール神殿はカルナックのアメン神殿の付属施設として築かれ、両神殿はこの参道で結ばれている。

 スフィンクスも海外に持ち出されたあげく、異教徒のものという理由で壊されたものも多いとか。
 ここにこれだけ残されていることにほっとする。
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by t_ichib | 2012-07-08 09:48 | 今日もまた旅の空
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