東北の夏祭り② 五所川原の立ちねぷた
 五所川原のねぷたは、正式には「立佞武多」という字を当てるようだ。 読み方も、青森がねぶたと濁りだが、ここではねぷたと「○」になっている。


 東北の夏祭りは夜が本番、昼間の時間は空いているし、次の会場へのバス移動がある。 その時間を利用して、観光が少しだけ付いている。


f0066555_14405763.jpg 【奥入瀬渓流】

 今日の最終目的地は、同じ青森県の五所川原なのだが、一度岩手県に入り奥入瀬・十和田湖へ。
 しかも、十和田湖はまるっぽ岩手県でなく、小さな川が県境になっており、そこから先は秋田県。 ...と、秋田出身のバスガイドが言う。 (出身というより、バス自体が秋田県のバス)

 短い間に、3県にまたがる観光をしたことになる。

 奥入瀬・十和田湖ともに、前回の夏祭りでも立ち寄っているし、個人での旅行でも来ている。 これで3回目、それとも4回目?


f0066555_14544373.jpg 【太宰治の生家:斜陽館】

 五所川原を通り過ぎ、(現在は合併して五所川原市になっているが)金木町へ。

 大地主であり、衆議院議員であった父津島源衛門が建て、戦後は売却され一時は旅館「斜陽館」となっていた。
 その後、当時の金木町に寄付され、太宰治記念館となった。

 斜陽館に入るのも2度目だが、太宰が11人兄弟の10番目という大家族だったこと(長男・次男は夭逝)や、父源衛門が母タネの元に入った婿養子だった(豪農松木家から)ことなどは、今回改めて知った。

 敷地680坪に1、2階あわせて20室400坪の邸宅は、旅館としても十分な広さ。
 金木の「殿様」津島家の面目躍如というべき。



 立ちねぷたの行われる五所川原に戻る。

f0066555_15362584.jpg 【「立佞武多の館」を出るねぷた】

 2009年にこの館を訪れ、保管されている巨大な3台のねぷたを見た。

 6時にこの館からねぷたが引き出されると聞き、大急ぎで夕食をとり館の前の人ごみに加わる。

 高さ23m、7階建てのビルに相当するというねぷたの迫力は圧巻。

 正面の大きなガラス張りの戸が開く瞬間は、残念ながら見逃した。



f0066555_16125271.jpg 【3台の巨大ねぷた】

 館には3台のねぷたを収納するスペースがあり、毎年1台の新作が製作される。
 先頭が今年製作のもの、一昨年・昨年と続く。

 立ちねぷたの製作は一時途絶えていたが、平成5年に明治・大正時代の台座の設計図が発見され、80年ぶりの復元となった。

 完成したねぷたは、平成8年に「一度きりの復活」として町中に曳き出された。

 その後、平成10年になり、市の支援を受け毎年の開催となった。



f0066555_16313218.jpg 【屋島の合戦】

 巨大ねぷたばかりではなく、町内会などの製作による「青森タイプ」のねぷたもある。

 配られたパンフレットによると、参加したのは15の団体を数える。

 実はこのタイプは台座に載せられた、ねぷたの部分が回転する。 広場に引き出された後、ぐるぐる回るねぷたに、最初はちょっとびっくりした。 (23mもある巨大ねぷたには、こんなことはできない)

 構造上、台座から上を回せないねぷたは、台座ごと元気な若者が回って見せる。



f0066555_16424572.jpg 【大昇鯉】

 これは巨大ねぷたではないが、「立ちねぷたタイプ」のもの。

 五所川原農林高校の生徒たちの製作。
 もう一つ五所川原高校製作のねぷたもあった。

 学校・町内会・各種団体製作の15台とあわせ、18台のねぷたが町内を練り歩く。


f0066555_173265.jpg 【義経伝説・龍馬渡海】

 平成23年製作のねぷた。
 平泉で自害したとされる義経は、東北を青森まで逃れ海を渡ったという伝説があり、それを題材にしたもの。

 3台の巨大ねぷたによる「お見合い」を経て、7時に運航が開始される。

 運航開始までの間、このねぷたのすぐ脇で引き手の人と雑談を交わした。
 どうやら市の職員らしく、ねぷたに関するいろいろなことを聞かせていただいた。



 青森のねぶたの掛け声が「ラッセーラ」というのに対して、五所川原では「ヤッテマレ(やってしまえ)」という威勢の良いもの。 別名喧嘩ねぷたとも言われる。


f0066555_18271975.jpg 【右:『又鬼(またぎ)』 左:『鹿嶋大明神と地震鯰』】

 反対側で「見合う」用に立つ2台。 「又鬼」は平成22年製作で、今年でお役御免となる。

 「鹿嶋...」は今年の新作。 大明神が鯰を足で踏みつけ、大岩で封じようとしている絵は、東北大震災からの復活を遂げようとするもので、青森ねぶたとも共通の願いを感じる。



 昨夜とは違い、今日の宿はバスで1時間半ほど移動した先にある。 祭りのフィナーレまで見届けられなかったのは心残り。

 翌日は、ねぷたの題材ともなった世界遺産「平泉の中尊寺」を観光し、仙台駅から新幹線に乗り我が家へと。
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by t_ichib | 2012-08-08 14:28 | 今日もまた旅の空
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