2014年 11月 09日 ( 1 )
南アフリカ旅行③ 今日の世界遺産は監獄島
f0066555_16152031.jpg 今日の観光へのスタートはウォーターフロントから。

 写真は、その中心にあるクロックタワー。

 港を出入りする船舶の管制塔だったが、現在はもっと新しい施設がその役目を担っている。


f0066555_2123312.jpg 船に乗り換え、世界遺産:ロベン島に向かう。

 ロベン島は17世紀の終りごろ、当時ここを支配していたオランダにより、植民地の政治犯を収容する監獄として使われた。

 島の周囲を流れる海流は激しく、脱獄は困難だったとか。

 アパルトヘイト政策の時代に、当時の南アフリカ政府によりマンデラ元大統領など、多くの政治犯が収容され、負の遺産として世界遺産に登録。


f0066555_2211284.jpg いよいよ、島に到着。

 次々に島に着く定期船の観光客は、何台かのバスに分かれガイドに案内される。

 ガイドはパブリックと呼ばれる公式のガイドと、プライベートと呼ばれる元受刑者のガイドとがある。
 私たちは、たまたま数少ないプライベートのガイドに。


 反アパルトヘイトの指導者といえば、マンデラ元大統領の名くらいしか知らなかったが、ここでローバート・ソブクウェの略歴を聞く。

 彼が議長をしていたPACは、黒人に身分証明書を常に携帯するよう義務付けた「パス法」に対する抗議行動を起こす。

 警察署の前まで出かけ、身分証明書を投げ捨て「逮捕せよ」と迫るというものだった。
 それに対し、警察が一斉射撃を行い69名の死者が出たのが、「シャープビルの虐殺」だった。

 この後、PACもマンデラ氏の属していたANCも非合法化され、両氏とも投獄される。
 が、この事件により反アパルト運動は大きく前進していく。



f0066555_2241019.jpg 囚人たちが強制労働させられていた石切り場跡

 当初は、島の施設の建設や、細かく砕いて道路の舗装に用いられたが、後には使用目的のない無益の労働だった。

 写真中央の四角に切られた穴は、暑い時の休息場所だったが、政治犯たちはここで政治権力を取り戻した後の構想を練っていた。
 ガイドは「最初の国会」とジョークを飛ばしていた。


f0066555_2251242.jpg 写真のような抑圧する側の建物やテニスコートなども残され、島全体が博物館となっている。

 収容施設は当初は刑事犯なども一緒だったが、後に政治犯の思想が広がるのを恐れ、いくつかの施設に分離された。

 島からはテーブルマウンテンが眺められ、「世界遺産の中から、別の世界遺産が見られる唯一の場所」と、ガイドの自慢。


f0066555_232409.jpg いよいよマンデラ氏が収容されていた独房へ。

 マンデラ氏は釈放された時は別の監獄にいたが、あわせて27年もの間、収容されていた。

 政治犯の待遇も国際世論の高まりにより徐々に改善され、後には通信教育などを受けることができるようになった。

 政治犯たちは権力を取り戻した時には、そうした知識は必要だと認識していた。


f0066555_23114070.jpg 政治犯たちの独房の横の広場。

 そこに掲示されていた写真により、政治犯たちはここで石を砕くなどの単純作業をさせられていたことが分かる。

 マンデラ氏の目は石灰石の粉などにより悪化し、大統領就任後彼の写真撮影はフラッシュ禁止だった。



 ロバート氏のPACが、「白人を排し黒人による政権を」というものだったのに対し、マンデラ大統領は白人との融和を説いた。
 そのことが、流血を伴わない平和な政権移行となったのだろう。

 そのことにより、政治犯たちが受けた迫害という重苦しい思いから、少しほっとすることができる。



f0066555_8281538.jpg 監獄島の見学を終え、ウォーターフロントへ戻る。

 ここは港としてだけでなく、カフェなどの飲食店が多く、またお土産屋やスーパーマーケット、ブランド品のショップなどの商業施設となっている。

 私たちはここで昼食、ワイナリーへと出かけた後、もう一度ここに戻りお土産などのショッピング、さらに夕食もここ。

 何年か後に再びケープタウンに来たとしても、ここだけは記憶に残っているかもしれない。


f0066555_8403238.jpg ここで再び、優れものを見つける。

 船が通る水路にかかる歩行者用の橋。
 勝鬨橋のように上に持ち上がるのでなく、対岸の一ヶ所を支店に水平に回転する。

 歩行者が渡っていないのは、ちょうど今もとの位置に戻った直後。

 普通に渡れていたら、この仕掛けに気がつかなかった。


f0066555_8472557.jpg ワイナリーに向かうバスの車中より撮ったテーブルマウンテン。

 テーブルクロスも、しっかりと写っている。

 「今日は風が強くなるから...」というガイドの予言どおり、この後強風のためケーブルカーは運航停止。
 そればかりか、翌日にはロベン島への定期船も強風で休止。


f0066555_857036.jpg ワイナリーの写真を撮っていないので、その近くのブドウ畑の写真を。

 ウォータフロントに戻って以降、空に浮かぶ雲の形を「日本ではあまり見ない形だね」と言い、しきりに雲の写真をとっている人もいた。

 ワイナリーで少しと、ウォーターフロントのスーパーで少しお土産を買った後、ガイドのアンジェラさんの案内で、タバコの吸えるカフェへ。
 彼女もかなりの喫煙者、お酒もいけるので私より数段上。

 ただしコーヒーの味は想定外、今回の旅行では食後にコーヒー紅茶が出されることが多かったが、そちらのほうが何倍も上。


 口直しに、小高い山の上からの美しい夜景を。
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 ただしここに向かう道は、舗装も悪く、狭いところもある坂道。 ハラハラドキドキの往復であった。
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by t_ichib | 2014-11-09 12:37 | 今日もまた旅の空