今日はウトロから網走、距離はわずかしかない。
当初の予定では、この近くをうろちょろする予定だったが、昨夜になって予定を変更した。 知床峠を越え野付半島まで行き、美幌峠を越え網走に向かう。 当初の予定だと80Km程度だったのが、290Kmほどのドライブになる。 他の土地ならたっぷり1日かかるのに、北海道でならそこそこの観光をする余裕さえある。 ![]() 知床五湖の散策のしかたは、以前に来た時とは大きく変わっていた。 5月の中ごろから7月いっぱいまでは、ガイドの案内で一湖から五湖を回る。 その前後の時期は、散策コースのレクチャーを受けた後、個々にコースを回る。 コースの最後に設けられた木道部分だけなら、どの時期にでも自由に歩くことができる。 (そこからでは、一湖しか見られない) ガイドの説明を受けながらコースを回るのは、いろんなことが分かって魅力的だが、「所要時間は3時間」だと聞いて、今回は断念する。 ![]() 自由に散策できるのが木道だけに限られているのは、ヒグマに襲われる被害を防止するためだが、あわせて観光客が知床五湖の自然を傷つけないようにするためだと思われる。 散策のしかたが変わったのは去年からだというが、この次には「3時間」の余裕を取って来てみたい。 ![]() ここからは昨日船から見たフレベの滝を、陸の上から見ることができる。 その往復の林の道で、うるさいくらいに鳴いているセミの声。 樹上を見上げてもなかなか姿が見えない。 その代わりに発見したのが、セミの抜け殻。 たまたま通りかかったセンター職員に聞くと、ハルゼミとかいう北海道だけに住むセミだとか。 「本土のセミより、小さい」とも、確かに抜け殻も3分の2くらいか? ![]() これより手前の、標高500mとある所でさえ、雪が残っていた。 外へ出ると風が吹いていて、かなり冷えている。 薄手の防寒着を用意していたが、ここで着ることになるとは予想していなかった。 この日は、金星が太陽面を通過する天文イベントがあった。 前々日くらいのニュースでそのことを知り、「日食グラスを持って来たら良かったのに...」と悔やむ。 通りすがりに、日食グラスで覗いている人を見かけたら、「頼んで見せてもらおうか?」とも。 ところが知床峠を越えたあたりで、かなりのモヤで太陽など見えなくなる。 後で、日食グラスで見たという娘から、「小さすぎて見えなかった」とメールを受け取る。 太陽をせめてお茶碗くらいに拡大してみないと、金星の影は見られないと知って、悔しさも薄らぐ。 ![]() 思わず車を止め、写真を撮ってしまうほどの現象だった。 ![]() 前回着た時と季節はほぼ同じなのに、クロユリが大群落を作っているのに驚く。 前にはこんなたくさんのクロユリは見なかった。 ![]() 本当は草でなく木だそうだ。 北海道だけでなく、日本中どこでも見られるという。 赤い実の写真を見て、近くの田んぼのあぜになる「ヘビイチゴの親戚?」かと。 クロユリが最も多いと書いたが、それは間違い。 最も多かったのは、外来種の西洋タンポポ。 遊歩道で撮った記念写真を見てみると、道がまっ黄に見える。 私たちが靴の泥とともに持ち込んだもの。 ![]() 数が少なく小さいので、良く見ないと気がつかない。 紫の花のものが多いようだが、この白い花に紫のスジが入ったものが、可憐で美しい。 ![]() 花びらの数は5枚とか6枚の花が多いが、エンレイソウのように3枚のものは、他には知らない。 そして「開花するまでには、10~15年を要する」の説明を見て、実に貴重な花なんだと思う。 野付半島は、もうすぐ陸続きになりそうなくらい伸びてはいるが、くっついてはいない。 途中までは車で行けるが、その先の灯台までの、最後は徒歩となる。 ![]() 最初に2頭が道を横切った後、数頭が私の車が通り過ぎるのを待つ。 鹿にとって車は慣れっこの自然の一部なのかもしれないが、道外から来た私には自然ではない。 あわてて写真を撮る。 待つ時間が増え、鹿には迷惑なこと。 ![]() 知床峠を越えるまでと、野付半島で時間を取りすぎ、この後は駆け足で先を急ぐ。 そして美幌峠で、一休み。 美幌峠にはこれまで2度来ているが、2度とも来た方へ引き返している。 (次の目的地が来た側だったから) なんと言うこともないのだが、「一度は峠を越えてみたい」というのが、今日のコースを変えた理由でもある。 この日は知床峠以後、一度も防寒着を脱げなかった。
by t_ichib
| 2012-06-06 20:09
| 今日もまた旅の空
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