スリランカというと、ごく最近まで内戦の続く「怖い国」だった。
大多数を占めるシンハラ人と少数のタミル人との内戦が、30年続いた。 しかし、ガイドは30年どころではない、紀元前5世紀からの第1王朝時代から対立があったという。 11世紀には南インドのチョーラ朝の征服を受ける。 80年ほどの支配の後、チョーラ朝勢力を撃退し第2王朝時代へと入る。 首都はアヌラーダブラからボロンナルワに。 王朝はその後次第に弱体化し、13世紀にはボロンナルワは放棄される。 【スリランカの国旗】 国旗の大きな部分を占めるライオンはシンハラ人、四隅の菩提樹の葉は仏教徒の表す。 緑はイスラム教・ムーア人、サフラン色はヒンズー教・タミル人を表し、民族の融和の象徴とされる。 午後からの【世界遺産:ボロンナルワ遺跡】は、その第2王朝時代の遺跡で、クワドラングル、ランカティラカ、ガル・ヴィハーラの3つの寺院からなる。 【クワドラングルの遺跡】 2つの宗教の融和への努力は、第2王朝時代に既に始まっており、建物の外観はヒンズー風、中には仏陀を祀るようになる。 そういわれてみると、この塔などはアンコールワットで似たようなものを見た気もする。 といってもイスルムニヤなどで見たのは、現在も僧が修行している寺院、外観などは近い時代のものに変わっているのかもしれないが。 寺院の内部にもヒンズーの神々が収まっている。 (現在の寺にも仏ばかりでなく、神も) 象の頭を持つ知恵の神などヒンズーのいくつかの神は、仏教徒にも共通の神様だという。 【第2王朝時代のムーンストン】 描かれている動物は、外側からアヒル・象・馬となっている。 ヒンズー教の象徴でもある牛を足で踏みつけないように、同じようにライオンも消えた。 消えた牛・ライオンは石段の横の、もう少し良い場所?に移動した。 アヒルは(改めて写真を見返してみると)以前のムーンストンにもいた。 水に混ったミルクを、ちゃんと区別することができるとされ、アヒルは嘘と真実を見分ける特別な能力を持っているとされる。 当時の石碑などにアヒルが描かれていれば、「ここに書かれていることは、真実である」ことを意味するそうだ。 【ムーンストン背後の寺院の遺跡】 ず~っと奥に仏陀の像が見える。 その手前の石段は(第1王朝時代では、各段を3人の人が背中で支えていたが)、大勢の人が手で支えるように変わっている。 大勢でなら、「あんなにがんばらなくって良いか?」と、ガイドの説明を聞きながら面白く感じた。 【ランカティラカの遺跡】 奥行き52mの最奥に仏陀の像がある。 壁の厚さがものすごい。 【ガル・ヴィハーラ遺跡】 瞑想する仏陀の坐像、背後の壁と同じ筋目がついているので、大きな岩をくりぬいて坐像が作られたことが分かる。 この坐像の左にもう1対の坐像、右側に立像と涅槃像と、計4体の像が並ぶ。 観光を終え、宿に戻る途中で生まれて初めて象に乗る。 途中で首の後ろの部分にまたがらせてもらう。 さらに、象使いの少年から「餌をやって」とバナナを渡される。 象は鼻だけ後へ伸ばし、器用にバナナを受け取る。 「賢いなぁ」と感心もし、餌のバナナの象の大きさに比べあまりに小さいのが気の毒にも。
by t_ichib
| 2013-01-22 20:39
| 今日もまた旅の空
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