今回の旅も終盤に入り、マーストリヒトからアムステルダムへの帰路に、2つの大きな美術館を回る。 (後は、ダイヤモンド工場)
芸術に関する素養はなく、こうしたツアーに組み込まれていなければ、すすんで美術館へ足を運ぶこともないのだが、これも優雅でよいのかもしれない。 本当に趣味のある人なら、1日に2つも回るのでじっくり見られず、物足りないのだろうが。 【クレラー・ミュラー美術館】 この美術館は、実業家のクレラー・ミュラー夫妻のコレクションを元に開設され、特にゴッホの作品を多く収蔵していることで知られる。 広い敷地を持ち、彫刻作品などは屋外に展示されている。 無料の貸し自転車が置かれ、それに乗って作品を見て回ることもできる。 ただしこの日は小雨模様、できることなら屋内の観賞だけで。 【ミレー:「パンを焼く婦人」】 (作品名はオランダ語と英語でしか表示されていなかったので、日本語名は適当) いくら美術への素養が小指の先ほどでも、その作家らしいタッチ、色使いらしきものが頭の中にあり、それと一致するものがあると、「あっ、ミレーだ!」とか、うれしくなる。 ということは、有名作家の有名作品「崇拝病」だと自覚しながら。 この美術館には、ミレーの「種まく人」らしき作品があった。 作家名はゴッホ。 「After Millet」の文字も。 ゴッホがミレーの絵を模写して、「勉強していたんだな」と。 美術館の中で、作品の前の床に座り込んでスケッチを取る画学生らしき人たちを見かける。 彼らの作品が「After ・・・」の文字がつけられ、掲げられる日が来るだろうか? 【ルノワール:「カフェにて」】 印象派を代表する画家。 美しい豊満な女性を描いた作品が多いような気がする。 【モネ:「アトリエボート」】 ルノワールと同時期の画家、印象派。 連作「睡蓮」が有名なこと、印象派には日本の浮世絵が影響を与えたことなど。 【セザンヌ:「湖へと続く道」】 「水浴」などの作品が私の頭の中にあったが、セザンヌは静物画や風景画のほうを好んでいたようだ。 【ゴッホ:「アルルの跳ね橋」】 「炎の人」と知られ、オランダを代表する画家であったゴッホは、生前は絵が1枚しか売れなかったとか。 認められず不遇な生涯を送ったようだ。 牧師をしていた父とは不仲で、弟からの援助でやっと画材を買うなど貧しい暮らしだった。 【ゴッホ:「ジャガイモを食べる人々」】 ランプが一つだけ吊るされた薄暗い部屋で、ジャガイモを食べる一家、貧しさや暗さが画家の心情を反映しているかのよう。 前の作品にはいくらか明るい色彩が使われているが、こちらの方がゴッホらしいような気もする。 【ピカソ:「ギター」】 青の時代、ばら色の時代、キュビズムの時代と何度も作風を変える。 同じ美術館に所蔵されている、普通の(としか素人の私には言えない)肖像画と、この絵とでは同じ画家の作品と思えないほど。 油絵・デッサンが1万点余、10万点の版画を始め、彫刻・陶器など作品の多さでも、その作品に付いた値段でもギネス級の天才。 屋内の作品を見て回るだけで予定時間となり、とても屋外までは回れなかった。 クレラー・ミュラーを出ると、アムステルダムまでバス移動。 【オランダ国立美術館】 【国立美術館のロビー】 ここからは日本人ガイドが付き、主な絵の解説を聞きながら回る。 【レンブラント:「夜警」】 「夜警」という名が知れ渡った後、絵の埃などをきれいにすると、明るい日差しや影などから夜ではなく、昼間だと分かったが、絵のタイトルはそのままとなっている。 同じ部屋には自警団を描いた、同じような絵がいくつかあり、「全部レンブラント?」と勘違いしそうになった。 レンブラントは他の記念写真風な絵に飽き足らず、一瞬の動きを絵に捉え、評価を得た。 この美術館の中でも、このレンブラントの絵の前の人だかりが一番多く、この絵の存在がアムステルダム市の、大きな観光資源になっているという。 【フェルメール:「牛乳を注ぐ女」】 フェルメールといえば、「青いターバンの少女」が有名で、その青色は「ウルトラマイン」という高価な絵の具だった。 この絵にも、青色が使われているが。 レンブラントとフェルメールは17世紀のオランダを代表する画家。 【ゴッホ:「自画像」】 前の2人よりは200年ほど後になるが、やはりオランダを代表する画家。 ゴッホの自画像は「ひまわり」とともに、好んで描かれた題材だが、贋作が多いのもこの二つのようだ。 2つの美術館の観賞が終わると、あとはダイヤモンド工場の見学と車窓からの市内観光。 「車窓から・・・」は、明日のフリータイムのために、「アンネの家」や運河クルーズに行くには、何番のトラムでどこで降りれば良いかなどの案内程度。
by t_ichib
| 2014-04-15 16:01
| 今日もまた旅の空
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